第54回日本内分泌外科学会学術大会
会長挨拶
第54回日本内分泌外科学会学術大会
会長 田中克浩

川崎医科大学乳腺甲状腺外科 特任教授

 この度、第54回日本内分泌外科学会学術大会を2021年10月28日、29日両日、岡山市で主催させていただきます。

 皆様もご存じのように、日本内分泌外科学会と日本甲状腺外科学会は2018年に発展的統合を遂げ、一般社団法人日本内分泌外科学会となりました。日本甲状腺外科学会学術大会は秋に開かれていたことから、統合後は内分泌外科学会学術大会として開かれておりましたが、今回の学術大会を最後とし、筑波で開かれる第34回総会からは年1回の春の総会のみになる予定です。

 今回の学術大会のテーマは「内分泌外科における最新の知見の研鑽と経験の伝承」といたしました。本学会の専門医制度に携わらせていただいていることから、専攻医教育と専門医・指導医の技術や知識の進歩を含んだ学術大会にしたいと考えています。分子標的薬の登場で再発甲状腺癌への治療の考え方も大きく変わりました。さらにNTRKやRET/PTCの再配列、TMB高値への治療選択も増えそうです。2020年にはサージカルデバイスの適応も広がっており、手術方法への影響も明らかです。

 執筆時点では、COVID-19の勢いが増しており、共存が必要とは言え全国の医療関係者の獅子奮迅に対して大きなエールを送るものです。癌やその他の内分泌疾患を中心に忙しくしてきた我々であり、その役割が減少するはずもありません。医療崩壊やその心配を口にするのは簡単ですが、最低限共存はどんなことをしても医療者として皆様と守りたいものです。臨床だけでなく、学会における討議や勉強する機会を失うわけにもいきません。2020年の春、秋の2回の学会は完全webで、質を担保したまま開催されたことは大きな称賛に価すると考えます。軽井沢での第33回総会の開催状況を、ついで東京オリンピック開催状況などを見ながら現地開催が妥当であるかどうかを考えていきます。今後の開催状況等につきまして、ホームページ上で随時情報提供させていただきます。

 皆様には最後の内分泌外科学会学術大会への演題を多くいただき、積極的な討論をお願いいたします。最後になりましたが一層のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
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