大会長挨拶

第58回日本人工臓器学会大会 大会長 花﨑 和弘

第58回 日本人工臓器学会大会
大会長 花﨑 和弘
高知大学医学部外科学講座外科1 教授

この度、第58回日本人工臓器学会大会の大会長を拝命しました。歴史と伝統に輝く本大会のお世話を令和2年(2020年11月12日(木)から14日(土))Tokyo Olympic Yearとなる節目の年に高知市で開催させていただけることは、私どもの教室・同門・大学にとりまして身に余る光栄であります。会員の皆様に対し、謹んで御礼申し上げますと共に、その重責に身が引き締まる思いです。本当にありがとうございます。

本大会のテーマは「人工臓器研究の進歩と臨床展開:日本から世界へ発信する人工臓器学」と致しました。以下に本大会の概要と特徴を述べさせていただきます。

①人工臓器研究の進歩:人工臓器に関する様々な分野の基礎研究および臨床研究をご発表ください。研究は仮説とアイデアが一番重要です。既に終盤を迎えた完成度の高い研究だけでなく、アイデア先行のようやく走り始めの研究も是非とも発表していただきたく存じます。加えて中堅からベテランの演者だけでなく、将来の人工臓器学会を担うであろう若手研究者の発表も大いに期待しています。

②人工臓器研究の臨床展開:著名な会員の皆様から斬新なアイデアはある。しっかり研究もした。だけど臨床応用が出来なかった。という類のお話を良くお聞きします。そのたびに思うことは「もったいない」ということです。優れた研究テーマには大会を介してアワード等を授与するに留まらず長いスパンをかけて人工臓器学会がサポートし、最終的に臨床展開に繋がる「支援体制の整備と強化」が求められます。臨床展開へのサポートに役立つセッションを多数企画します。

③多職種の会員の皆様の大会参加:「高知だけは一度も行ったことがない」という会員は沢山いらっしゃいます。こうした機会でも無い限り、一生高知に来ることはないかもしれません。したがって、本大会への参加を口実に少しでも多くの会員の皆様に高知に足を運んでいただきたく存じます。学会員数の多い臨床工学技士や今後の活躍と躍進が期待される看護師をはじめとするパラメデイカルスタッフの皆様が参加できるセッションも多数企画します。是非とも高知にお越しください。

④人工膵臓のハンズオンセミナー:本大会では第一回目となる人工膵臓療法ハンズオンセミナーを企画します。学会のCertificationも取得できるように準備しています。

四国では初めての記念すべき大会開催になります。11月は戻り鰹の美味しい時期であり、大会終了翌日に当たる11月15日は高知が生んだ幕末のヒーロー坂本龍馬の生誕祭とも重なります。お遍路文化で培われた「おもてなし」の心を基本とし、「高知に行って本当に良かった。楽しかった」と言っていただける大会運営を行うつもりです。主会場となる高知県民文化ホールは2020年にリニューアルします。もう一つの会場となる隣接の「三翠園」は西郷隆盛と山内容堂が大政奉還に向けて会談した由緒ある山内家の別邸跡でもあります。教室員・同門だけでなく、高知県も含めてオール高知で実りある大会となりますよう誠心誠意準備いたします。奮ってご参加いただけますように何卒よろしくお願い申し上げます。